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カキえもん | 牡蠣図鑑No.002

画像出典:厚岸漁協協同組合

カキタツ編集部

今回紹介するのは、カキえもんという北海道ブランドの牡蠣です。

かきえもんは誰が生産してる?

主な生産者様/販売者様
厚岸漁協組合
カキキン有限会社/中島 均さん(生産)
知床三右衛門店舗(販売)

「かきえもん」は、北海道厚岸町にある厚岸漁業協同組合が生産しています。この協同組合は、地元の漁師たちが集まって組織されており、その中でも著名な生産者に、有限会社カキキンの中嶋さんという熟練した漁師さんがあげられます。

カキキン有限会社インタビュー from TSUYOSHIOKA on Vimeo.

一昔前まで牡蠣は大きくて身入りの良いものが特に商品価値があると言われており、味は上品ですが身が小ぶりのカキえもんは当初見向きされなかったそうです。

しかし、中嶋さんはカキえもんの味を信じ作り続けました。そうして続けていくうちに、日本でも小ぶりな牡蠣を多数取り揃えるオイスターバーの文化が浸透していき、カキえもんは日の目を見ることとなりました。

かきえもんの生産地はどんなところ?

 

「カキえもん」の生産地は、北海道の東部に位置する厚岸湖という美しい場所です。厚岸湖は自然環境が豊かで、特に海産物の質が高いことで知られています。厚岸湖で育った牡蠣は、その豊かな自然環境の恵みをたっぷりと受けて育ちます。ちなみに、厚岸(あっけし)という地名は、北海道の先住民族であるアイヌ族が使っていた言葉、アイヌ語が元となっています。なんとこの地名、アイヌ語の「アッケケシ(牡蠣のあるところ)」が語源となっているという説が有力だそうです。

カキタツ編集部

豆知識:厚岸湾と厚岸湖は少し違います。かきえもんは、厚岸「湖」の牡蠣。海水と淡水が混じり合った湖で生産されています

牡蠣は海の温度により成熟度が変わるのですが、厚岸には水温の違う湾と湖の二つがあります。この二つの温度差を利用して、出荷タイミングをコントロールできるため、厚岸のカキえもんは1年中出荷を実現しています。全国でもこの手法で牡蠣を生産できる地域は限られています。

かきえもんの牡蠣の特徴

「かきえもん」の牡蠣は、その独特の食感と風味が特徴です。具体的には以下のような特徴があります。

歯触り

「カキえもん」は、シングルシードという養殖技術を用いて育てられています。この技術はミクロサイズの牡蠣を一個一個、お互いにぶつからないように育てることで牡蠣をストレスなくのびのび育てる技法。そうして育ったカキえもんは、貝柱がしっかりとしていて、ザクザクとした歯触りが楽しめます。

クリーミーさ

「かきえもん」の牡蠣もそのほかの厚岸産の牡蠣に負けず、身がふっくらとしておりしっかり目の舌触りとクリーミーさを楽しめます。

コク

厚岸特有のプランクトン、水温で育てらえたカキえもんは、通常の牡蠣と比べてひも(エラ)の部分まで旨みが詰まっています。

塩気

「かきえもん」の牡蠣は、臭みのないあっさりとした塩味が特徴です。えぐみや苦みもなく、爽やかな海水のニュアンスを感じることができます。

大きさ

「かきえもん」の牡蠣は、同じ厚岸産ブランドの「まるえもん」と比べると一回り小さい傾向にあります。平均すると空のサイズが大体単三電池の長さと同じくらいと言われています。

販売に関してはMサイズ(1個あたり50g〜70g未満)、Lサイズ(1個あたり70g〜90g未満)、LLサイズ(1個あたり90g〜129g未満)の3つのサイズがあり、好みによって選べるようです。

 

かきえもん生産地の周りで採れるその他の魚介類

厚岸湖では、かきの他にも様々な魚介類が採れます。例えば、あさりやほたて、うに、ほっきなどがあります。これらの魚介類もまた、厚岸湖の豊かな自然環境で育てられ、その美味しさが評価されています。

かきえもんの生産方法

「かきえもん」の生産には、シングルシードという養殖技術が用いられます。この技術は、オーストラリアのクラレンス市から導入され、北海道の気候に合うように改良されました。

生まれた時から一つ一つバラバラの状態にしてカゴで育てるため、カップが深く、殻がきれいで実入りが良くなります。

カキタツ編集部

シングルシードはとっても手間がかかる、職人技です。

かきえもん旬の時期

「かきえもん」は、日本国内でもめずらしい年中出荷できる牡蠣です。一般にかきの旬は、秋と冬といわれていますが、厚岸では夏でも寒流の影響で海水温が上がりにくい海域があり、そこを使ってかきの成熟をコントロールします。

その結果、秋や冬以外の時期でもおいしいかきを提供できます。最も美味しい時期は12月~2月とされています。